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なぜGitでブランチを作成することを「ブランチを切る」というのか (2022-02-22)

リビジョン管理のためにGitを利用しgit branch等で新しいブランチを作成することを、日本語で「ブランチを切る」と表現しているのを目にします。例えば公式のPro Git bookにおいても、以下のようにブランチ作成に「切る」という動詞を使っています

Git のブランチ機能は圧倒的に軽量です。ブランチの作成はほぼ一瞬で完了しますし、ブランチの切り替えも高速に行えます。 その他大勢の VCS とは異なり、Git では頻繁にブランチ作成とマージを繰り返すワークフローを推奨しています。 一日に複数のブランチを切ることさえ珍しくありません。(...中略...)では、なぜブランチを切るべきなのかについて見ていきましょう。

(ブランチを「切る」と「切り替える」とは区別されて用いられていることに注意してください。)

枝を切るという感覚だと、むしろブランチを削除するという反対の意味になっても不思議はないのですが。比較的以前からあるCVSやSubversionといったシステムにおいても、昔から同じように「ブランチを切る」という用例がありました。

語源学的な興味が湧くところですが、類似の用法としてバグ管理システムにおいても「チケットを切る」という表現があります。こちらもチケットを新規に準備するという意味で用いられています。

一般に「切る」という動詞には、伝票や手形などを発行するという用法があります。例えば、「小切手を切る」と言えば、小切手を新たに振り出すことを表します。おそらくこの用法から派生して、ブランチやチケットを新規作成することを「切る」と言うようになったのではと想像しています。


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