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ランダムに選んだ2つの整数が互いに素になる確率は6/π^2か? (2020-08-08)

ランダムに選んだ2つの整数が互いに素になる確率が\(\frac{6}{\pi^2}\)になる、という事実は以前からよく知られています。最近出版された論文Lei and Kadane (2020)では、その確率が具体的にどういう測度を指しているのかについて詳しく検討されています(preprintはこちら)。

この論文で証明されている結果は、主に次の2点です。

ただし、"確率"という形にして引用符で囲んでいるのは、有限加法的測度は必ずしも可算加法的ではないためです。現在普及している確率の公理によると、確率測度にはその加法族上での可算加法性が求められます。この公理がどういう意図で導入されたのかについては、Kolmogorovの記念碑的な著作、確率論の基礎概念で述べられています。

一見逆説的な上記の結果は、整数の集合\(\mathbb{N}\)(正確には、\(\mathbb{N}^2\))上の一様分布にはそれなりのバリエーションがあることを示しています。同時に、有限加法性でなく可算加法性を要求することが無用な混乱を防ぐのに役立つことが分かります。


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