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ケーススタディ: LibreOffice のコードベースの変更を追う (2010-11-17)

最近 LibreOffice の動向について質問される機会がありました。

OpenOffice.org からフォークしてから数週間足らずであり、最初のリリースが控えている段階であるため分からないことが多いようです。そういった場合でも公開されているメーリングリストや IRC、コードそのものから情報を得られることが OSS の利点です。また要点が Wiki にまとめられています: http://wiki.documentfoundation.org/

今回は、コードベースの変更に着目して動向を知るという方法についてのケーススタディです。誰でもコードのレポジトリにアクセスできるので、随時ソフトウェアの全ての情報がログとして取得できます。しかし、活発に開発が行われている場合は特に、それらを逐一把握するのは大変です。そこで

  1. 変更の要約
  2. 変更の可視化
  3. 変更の統計情報

が鍵になります。

LibreOffice の開発メーリングリストでは、1週間ごとの変更の要約が報告されます。例:

ChangeLog のように箇条書きの形式になっており、定期的に報告されるという点が特徴です。

また、LibreOffice のレポジトリが用意され開発が始まった最初の週について、次のような動画があります: LibreOffice first week coding

レポジトリから情報を取得して変更の可視化を行うツールによるものです。単なるアートのようにも見えます。

最後に変更の統計情報ですが、今日メーリングリストで話題に上ったのは、「ソースコードの行数(SLOC)」の減少を取り上げたものです: http://lists.freedesktop.org/archives/libreoffice/2010-November/002747.html

これによると OpenOffice.org からフォークした時点からコードを34,000行も減らすことができたことが分かります。背景として、現在「不要なコメントおよびコードの削除」という作業を優先していることがあります(EasyHacks)。

一般には LOC の数字でソフトウェアを判断することについてはさまざまな意見があります。むしろより重要なのは、これに対する Tor Lillqvist 氏の返信です: http://lists.freedesktop.org/archives/libreoffice/2010-November/002755.html

But isn't a lot of this lines of code that were commented out, or inside #if 0?

And how much of the change is due to changes in the OOo milestones that have been merged in?

I would be very careful in using that number in any kind of bragging fashion, without very explicitly indicating
what it measures, exactly. Of course, hard to do that in a short tweet, and it is bound to be misinterpreted.

開発者のこの慎重な姿勢は、ただでさえ複雑で把握しにくいプロジェクトの実態を知りたい人にとって重要であり、高く評価されるはずです。


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